あなたは、救い主です
マタイによる福音書16章13~20節
コロナ禍の中で、礼拝堂での礼拝が出来ない状況にありますが、「何を信じているのか」、これは大事な事ですが、多くの日本人の信仰感は、漠然としています。しかし、外国では、いずれかの宗教を一つだけ信仰しています。日本人にとって、神様とは、多種多様な受け留め方をしています。その時々の都合に合わせて選んでいます。また、人間は、自分が信じている物に影響されることもあります。お金を神のように考える人は、お金さえあればとか、お金で物事を解決出来ると考えたりすることもあります。しかし、それに、惑わされて、振り回される事が起きるから、何を信じるのかは、大事なことです。
マルコ福音書の冒頭で、「神の子、イエス・キリストの福音の始め」と書かれています。最後の方の15章では、十字架で死なれたイエス様を見たローマ軍の百人隊長が、「本当に、この人は神の子であった」と言います。つまり、「イエス様は、神の子である」、ということが強調してあるのです。そして、真ん中の8章29節で、弟子のペトロは、「あなたは、メシアです」と答えています。「イエス様が救い主である」という信仰告白が、中心に据えられているのです。マタイ福音書16章13節以下は、同じように書かれてあります。
その弟子のペトロの言葉を聞いてイエス様は、「わたしはこの岩の上にわたしの教会を建てる」と言われます。この言葉に基づいたと思われますが、最初の教会の代表者にペトロが就きます。そして、カトリック教会では、ローマ法王は、ペトロの後継者という位置づけになっています。しかし、イエス様が言われた言葉の意図は、「イエス様は、救い主です」と信仰告白する言葉の上に教会が建てられていく、と言われているのです。マタイ福音書16章1節以下で、人々が天からのしるしを求めますが、イエス様はヨナのしるししか与えられないと言われます。それは、イエス様の十字架の死と復活を指していたのです。